発売後すぐに購入したものの、1年近く放置し、最近やっと読み終わりました。
「 The Book - jojo’s bizarre adventure 4th another day 」
ジョジョの奇妙な冒険第4部の乙一氏によるノベライズ。
以下、ネタバレ含む感想などを。
なんと言うか・・・ 一言で言うと、 暗 い !
読後が爽やかではありません。せつなさと悲しさだけが漂い、救いのない終わり。
jojoキャラはもちろん何人も出てくるけれども、特に仗助が主人公(琢馬)を倒しにくるので
まるで敵キャラのような雰囲気に(苦笑)。・・・というか、琢馬に感情移入しすぎて仗助と億泰が完全にいじめっ子に見える。
あと、仗助たちが「琢馬を倒す!」という展開になるための理由が弱い。琢馬は本懐を遂げられさえすれば、他者には害は無さそうに感じるのだが。あそこで仗助たちが琢馬を追い詰めなければ良かったのに!
後半のスタンドを使った戦闘は、仗助よりも億泰の方が何故か印象に残る。
乙一氏が熱心なjojoファンであることは伝わってくるけど、その愛が面白さに繋がるかどうか
というのは別なのだと感じた一冊。
乙一ファンの方はどうかわかりませんが、ジョジョファンには正直オススメしません。
荒木飛呂彦の描くジョジョの世界とは全く雰囲気が違っても良いという人にはいいかも
しれませんが。
乙一氏は繊細な文を書く人なのだなあ~
そして完全に原作のイメージが出来上がっている作品の、他の執筆者によるノベライズというのは難しいのだなあ~としみじみ感じた作品。